横浜ダルクとは
横浜ダルクとは
横浜ダルク・ケア・センターは、麻薬や覚醒剤、シンナーだけでなく咳止め薬、鎮痛剤、睡眠薬、精神安定剤、危険ドラッグそしてアルコールなど生活の身近な薬によって薬物依存になった人たちの回復と社会復帰を手助けする民間のリハビリ施設として、1990年6月に東京、名古屋につづき全国で3番目のダルクとして設立されました。
麻薬や覚醒剤の使用が不法な行為であることから薬物依存という病気が治療の対象としてではなく、刑罰の対象として扱われてきました。刑罰として刑務所へ、もしくは解毒のために精神病院へ長期的隔離することによって薬物から遠ざけることでは薬物依存からの回復、社会復帰にはつながらないことは再犯率の高い事からもわかっていただけると思います。ダルクでは自分ではどうする事もできなくて今苦しんでいる薬物依存者やその家族の人たちに薬物依存は回復できる病気であり、薬物依存から回復しようとしている多くの仲間がいるというメッセージを伝えています。ダルクは薬に変わる心の癒しを与える場所であると思っています。
ダルクでは原則として薬物依存からの回復者がスタッフを勤め、自分の経験を通じて仲間のサポートをし、その回復と社会復帰の手助けをしています。横浜ダルクには強制するものはありません。必要なのは薬をやめたいという本人の意思と、1日3回のミーティングに必ず参加することだけです。ミーティングは原則として批判したり、非難したりせず、お互い黙って耳を傾けます。ダルクに来た新しい仲間は自分の体験を話すことによって今まで自分ひとりの中で悩み苦しんできた事から解放され自分と同じ体験をして共通の問題を抱えている仲間がいることを知り、お互いに共感することができるのです。回復したスタッフや仲間の明るい声や、落ち着いた態度が、自分も同じように回復できるかもしれないという希望につながります。また、新しいメンバーの姿は、かつての自分の姿であり、自分が薬にまた手を出せばどうなるかを教えてくれているのです。ミーティングで経験や体験を分かち合う中で彼らの心は少しずつ癒され回復につながっていくのです。
・事業目的
薬物依存症者に共同生活の場を提供し、薬物を使わない生き方のプログラムを実践することによって、薬物依存からの回復を支援する。 回復していくための場、時間、回復者モデルを提供し、ナルコティクス アノニマス(NA)の12ステップに基づいたプログラムによって新しい生き方の方向付けをし、各地の自助グループにつなげていきます。
- デイケア事業
特定非営利法人横浜ダルク・ケア・センターが設置する横浜ダルク・ケア・センターは、障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービス事業(自立訓練・生活訓練)を行う事業所です。利用者に対し自立訓練(生活訓練)を提供し、適切な運営を確保するために人員及び管理運営に関することを定め、職員が支給決定を受けた利用者に対し、適切な事業を提供することを目的とする。
自立訓練(生活訓練)のサービス提供のために、自立必要な従事者、設備及び備品などを整備し、利用者が自立した生き方と安定したに日常生活を営む為に必要な訓練、生活などに関する相談及び助言その他の必要な支援を提供します。個々の利用者ごとの支援計画を作成し必要なサービス提供を行い、安定した自立生活へとつなげている。
- ナイトケア事業
薬物依存者症者は、病院あるいは刑務所から直ちに社会生活に戻った場合に薬物を再使用する割合が高く、社会復帰に困難を伴う。そのような人たちのためにダルクは、自らの病気を認め、自助グループに通う生活に慣れ、社会復帰をしていくための中間施設としての役割を果たす。家族的雰囲気の中で同じ仲間と共に生活することによって、プログラムを徹底的に身につけることを目的とする。
~ハウス入寮者のおもな1日~
時間 | 活動 |
7:30~ | 起床、朝食、掃除 |
9:00~ | デイケア開所 |
10:00~ | オープニング |
10:30~11:30 | ミーティング(ヨガプログラム) |
11:30~13:30 | 昼食、休憩 |
13:30~15:00 | ミーティング(スポーツプログラム) |
15:00~19:00 | セルフケア |
19:00~20:30 | NA(自助グループミーティング) |
21:30~ | 帰宅、夕食 |
23:00~ | 就寝 |
ミーティングは、基本的に“言いっぱなし”、“聴きっぱなし”のスタイルで行い、非難や批判をされることなく、お互いの経験を分かち合います。また、その場で話されたことは、他の場所で話題にすることはお互いにせず、個人の秘密は守られます。そのため、このミーティングでは、幼い子ども時代から現在まで、様々な経験が語られます。
新しい価値観を育み、人生に向かい合うためには、今までの生き方を見直していくことも大切なことであるため、その語りの中では、依存症に関することや現在のことだけでなく、誰にも言えなかった体験についても語られることがあります。中には、DVや虐待のある家庭で育ったことや、家族との葛藤、様々な被害経験などについて話す人もいます。これは、現在の依存症の問題や経験を理由付け、「仕方ない」と慰め、開き直るためにあるのではなく、ゼロから生き直し、新しい価値観を育むために行われるものです。グループミーティングを通して、仲間と分かち合い、互いに学び合うことで、新しい生き方が方向付けられていきます。同時に、感情に振り回されるのではなく、自分の感情を使いこなす能力も自然と身に付いていきます。
ヨガプログラム、スポーツプログラムは身体を使ってのリハビリテーションの一環として、心身共にリラックスし、仲間と楽しみながら身体を動かし、協力してプレーすることで、みんなで支え合って回復に向かって一緒に歩いていけるようになります。何よりも、身体が健康になり、生き生きしていきます。
- 費用
入寮費(1ヵ月) 160,000円
内訳
家賃 52,000円
生活費 62,000円(2,000円/日)
光熱費 5,000円
日用費・備品費・床屋代・ケア費など 41,000円
* 医療費、交通費は実費請求とさせていただきます。
- 生活保護を受けている方はご相談ください。
- 禁止事項
施設内への薬物またはアルコールの持ち込み、および使用、あるいは指示されたプログラムへの参加を拒否された場合、その他、著しく他の利用者に悪影響を与える場合、暴力や異性との性関係をもった場合には、プログラムの途中であっても退所・退寮していただく場合があります。